ZYYGの3rdアルバム。
1.SO WHAT?
冒頭を飾るのはノイジーなギターのイントロから荒々しいドラムとベースが絡んでいく緊迫したナンバー。
自分にサジを投げてはいけないという高山の強いメッセージが伝わってくる。
2.MAD CITY GANG
ZYYG流のパンクロックが炸裂した、このアルバムの中でも象徴的な一曲。
歌詞も一歩間違えば危険な内容ながら、それでもZYYGらしいイキの良さを感じる。
3.WEATHER LOVE
年上の女性との少し危ない恋愛模様を歌い上げている。
ただ、最後では一途な主人公の想いも感じられる曲となっている。
4.渾身
実体験なのか?と感じられるほど工場勤務の1日の流れがリアリティのある歌詞でつづられている。
サウンドも無駄を注ぎ落とし、シンプルかつカッコいいアレンジとなっている。
5.TOKIO SLAM
ブルーカラーの仕事を朝から晩までこなしたり、ファーストフードで食事を済ましたりといったどこかアウトロー的な歌詞が印象に残る。
後藤のギターも曲全編で冴え渡っている。
6.LULLABY(album ver.)
「卒業」をテーマにしたシングル曲。
さまざまな場面で訪れる「卒業」をピックアップして歌詞にしている。
アルバムバージョンは曲の尺の長さがシングルバージョンから少し変更された。
7.BORN TO BE COOL
「誰に嫌われても気にしない」といった歌詞などから随所に高山らしさを感じるナンバーだ。
恋愛感情に陥っていく自分に戸惑いつつも、好きな女性を笑わせたいという意外な一面も垣間見れる。
8.SERIOUS
アルバムの中では打ち込み的な音も入っており、歌詞の世界観も踏まえて異色の楽曲となった。
9.Something(album ver.)
このアルバムの核とも言える王道のロックを聴かせてくれるシングル曲。
しっかりしたバンドサウンドでメンバー各々のポテンシャルの高さを感じる一曲だ。
10.LADY MOON
一途な恋愛感情を歌い上げた、アルバム曲ながら完成度の高い佳曲。
シンプルなバンドサウンドながら主張するときは主張する後藤のギターテクニックが光る。
11.この情熱のそばで
ラストはZYYGとしては最後のシングルとなってしまった「この情熱のそばで」。
アコースティックギターとエレキギターの絡みが絶妙でかつ、高山の切ない歌声も魅力的な一曲である。
総評
2ndアルバムからさらに進化し、ZYYGサウンドが堪能できる1枚となった。
基本的に打ち込みは使わず、メンバー4人の創り出す音によって楽曲が成り立っているのが見事だ。
高山の歌詞も3rdアルバムが1番本音が出ているのではないかと思わせられるほど「等身大」の歌詞の世界観を感じることができる。
このアルバムがオリジナル作品のリリースとしては最後になってしまったZYYGだが今もなお根強いファンは多く、このアルバムも愛され続けている。