suimonの音楽レビューブログ

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大野愛果「Silent Passage」

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大野愛果の3rdアルバム。 

提供曲のセルフカバー作品である。

曲名後の()内は原曲アーティスト。

Silent Passage

Silent Passage

 

   1. Get U're Dream (ZARD)

アレンジャー池田大介氏による壮大なストリングスアレンジのイントロから曲が始まる。

全編ストリングスを中心としたアレンジで大野の歌唱力がより際立つことになった。
  2. key to my heart (倉木麻衣)

コーラスワークが何重にも重なってきれいな曲となった。

アレンジも優しい音使いとなっており、曲の雰囲気に合っている。
  3. 笑顔でいようよ (三枝夕夏 IN db)

原曲よりも打ち込み主体となり現代風のアレンジとなった。

アレンジを担当したのはGARNET CROWの岡本氏。
  4. Time after time ~花舞う街で~ (倉木麻衣)

GARNET CROW、古井氏によるピアノ主体のアレンジ。

京都の香りを感じる原曲の雰囲気を失うことなく、素敵なアレンジとなっている。
  5. 静かなるメロディー (竹井詩織里)

Sensation、大楠氏によるアレンジでアコースティックギターが随所で織り交ぜられている。

落ち着いた気持ちになれる曲である。
  6. かけがえのないもの (ZARD)

ピアノ一本によって大野の歌唱が引き立ったアレンジとなった。

終盤にコーラスが加わり曲に厚みが増していく。

最後の大野の伸びやかな歌唱には感嘆する。
  7. beginning dream (菅崎 茜)

どこか不思議の国に迷い込んだかのような気分になるアレンジ。

これまでの曲には少なかったエレキギターもアレンジの中に加わっている。
  8. 君去りし誘惑 (上木彩矢)

原曲の持つ疾走感はそのままに打ち込み主体の軽快なアレンジとなった。

曲中の随所で鳴っているシンセサイザーの音がビーイング風でもあり特徴的だ。
  9. 1000万回のキス (倉木麻衣)

4つ打ちのダンス・ミュージックのアレンジ。

これも現代的なアレンジだ。

このようなダンス系はビーイングでは比較的珍しいアレンジのジャンルと言えるかもしれない。
  10. Forever You ~永遠に君と~ (愛内里菜)

doa、徳永氏によるテクノの要素も含んだアレンジ。

曲中で七変化する大野の歌唱法も聴きどころとひとつとなっている。
  11. 君の涙にこんなに恋してる (なついろ)

パーカションを取り入れた、アコースティックな雰囲気のアレンジ。

このアレンジは大野の優しい歌声によくマッチしている。
  12. don't stop music (the★tambourines)

軽快なピアノとアコースティックギターを乗せたポップソング。

アレンジの完成度も高く、本アルバムの中でも珠玉の出来となっている。
  13. 夏を待つセイル(帆)のように (ZARD)

ギターテクニックに定評のあるSensation、大賀氏によるギター1本のシンプルながら深みのあるアレンジが印象的な一曲。

音数が少ないながら大野の歌唱力の高さ、曲のメロディーの良さもあり聴いていて心地よい。

フェードアウトも洗練されており、アルバムのラストにぴったりな曲となった。

総評

これまでの大野のアルバムと違い、本作品は全曲日本語によるセルフカバーとなった。

どの曲も原曲の良さを引き立てたアレンジとなっており、大野の作曲した作品が好きな人、また原曲のアーティストが好きな人も楽しめるアルバムになっている。

私が特に好きな曲は#13の「夏を待つセイル(帆)のように 」。

原曲も好きだが、本作品でのシンプルなアレンジもまた良さがある。

歌う人やアレンジが変わることにより、その曲の持つ良さがまた違った面で現れてくるのがカバーアルバムのよいところだと思うし、聴きどころでもあると思う。

次回作にも期待したいところだ。